団地の建替えにおいての考え方

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団地建替えの考え方

団地というと公社や公団などによる大規模なものを想像しますが、必ずしも大規模な建物でなくても、法律上、団地と区分されます。法律上の団地の定義は「区分所有されているマンションや戸建の建物が数棟存在し、その建物の土地または駐車場、給水施設などの附属施設が所有者の共有になっている土地や建物のこと」です。

また、区分所有法65条「団地建物所有者の団体」では、「一団地内の土地に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設がそれらの建物の所有者の共有に属する」場合に、「それらの所有者は全員でその団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くこと」と定めています。

団地の建替えを行うにあたっては、平成14年2月の区分所有法改正において第69条「団地内の建物の建替え承認決議」と第70条「団地内の建物の一括建替え決議」が制定され、法律面の整備も行われています。

団地の建替え承認決議

団地内の建物の全部、または一部が区分所有のマンションで敷地を共有している場合、建替えは1棟ごとに判断し、建替え決議または区分所有者の全員の合意などによって行われます。しかし、1棟の判断のみで建替えを行うと敷地の先食いが発生してしまったり、プライバシーの侵害などほかの棟の生活に影響したりするケースが発生してしまいます。

そのため、1棟の判断のみで建替えを行うことはできず、敷地共有者の一定の同意が必要です。この手続きに関しては区分所有法第69条「団地内の建物の建替え承認決議」にその内容が規定されており、敷地共有者である団地内建物の所有者で構成される団体の集会において、議決権の4分の3以上の多数による承認決議が必要となります。

また、この場合の「議決権」は1住戸1議決権ではなく、区分所有法第69条2項により、建物が存在する土地の持分割合により議決権が決定します。

団地の一括建替え決議

団地内の建物すべてが区分所有のマンションで、その敷地が区分所有者全員の敷地にあり各棟を団地全体での一括管理の対象としている団地は、区分所有法第70条「団地内の建物の一括建替え決議」により、団地の一括建替えを行うことができます。

一括建替え決議を行うためには区分所有建物だけで団地の土地が共有されている必要があるため、敷地内に戸建て住宅や別の賃貸住宅が混ざっている場合は一括建替え決議を行うことはできません。
また、団地管理組合規約が定められている必要もあります。

一括建替え決議は、団地の集会において該当する団地内建物のすべての区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数決において、すべての団地内建物を取り壊し、新たな建物を建設することが可能です。
ただし、一括建替え決議について、各棟で区分所有者および議決権の3分の2以上の賛成があることが必要となります。

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