マンション住民へのアンケート調査について

これで円滑!マンション建替えガイド

居住者にアンケートを行う際の注意点

マンション住民が建替えについてどう考えているかを知るために有効なのがアンケート調査です。
しかし、内容によっては反発を招いてしまうこともあり、建替えそのものに否定的になってしまう可能性もありえます。
そのため、アンケートを行う際にはマンション建替えありきの内容ではなく、「現在のマンションについての居住満足度調査」というような体で実施するとよいでしょう。

アンケートの内容

まず、基本的な確認事項として、マンション住民の家族構成や年齢、抵当権などの設定状況、居住期間と専有部分・共有部分の認識などを行います。また、長期不在者や行方不明者がいないかどうかのチェックも行いましょう。
もし、大規模修繕計画と建替え計画をどちらにするか検討している段階であれば、現在建替えの必要をどのように考えているか、建替える場合には希望や不満があるかなどのアンケートを行い、住民感情の抽出を行います。

建替え決議に向けて建替え計画を検討している段階の場合は、希望する部屋の位置など、個別の意向をすくいあげる役割を果たします。
また、事業を進めるうえでの不安要素などを寄せてもらい、対策を具体的に検討することも重要な目的です。

アンケートを行う際の注意点

建替え推進決議前の段階では、建替えへの認識や理解度にマンション住民の中で個人差があります。そのため、基本的な情報も行き渡っていないことが多く、回答に不安があることが考えられます。

アンケートを行う際には、アンケートの目的や寄せられた回答の活用方針、プライバシーの順守についてなどをしっかり提示して、安心して回答をしてもらえるような準備が必要です。特に、プライバシーの管理は厳重に行うようにし、専門家にアドバイスをもらったり、協力してもらったりすることが必要な場合があります。

また、すでに建替えを計画している段階の場合は、アンケートの事前説明会や回収したあとその結果を報告する場などを設けて、情報を共有化するようにしましょう。

理事会への提出

アンケートが集まったらその結果をもとに勉強会を行い、理事会への報告を行います。ただし、やみくもに結果を報告するわけではなく、マンションの不安や不満の解決のためには大規模修繕や改修と比較して、建替えを行うべきであるという結論が出た時に、その方向性を報告するようにします。

その際には大規模修繕や改修によって改善できるものとできないもの、建替えによって改善できるものとできないもの、建替えの計画などについて理解を求めることになります。
ただし、前述しましたがはじめから建替えありきでアンケートを採るのはさけましょう。大規模修繕や改修、建替えがそれぞれどこまで改善できるのか、両者を比較してどちらに利があるかなどを、まず調べることが大切です。

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