責任施工方式と設計監理方式、協働責任施工方式の違いの説明と推奨方式の紹介をしています

これで成功!大規模修繕徹底ガイド

発注方式を考える

責任施工方式と設計監理方式

現在よく取られるリニューアル工事の発注方式に、責任施工方式と、設計監理方式という方式があります。

責任施工方式は管理組合が主導で動き、業者を選定して、その業者に建物診断から施工まで責任を持って施工してもらうという方式です。業者依存型で、建物の診断方法やものづくり条件設定、施工要領などがすべてコンペ参加業者に委ねられ、選定された業者の方針で施工が進められます。業者を選別する確かな目、業者をコントロールする力が管理組合に求められます。

一方設計監理方式は、まずコンサルを選定し、そのコンサルを通して業者の選定から施工までを行います。コンサルは予め、建物診断や、設計などを行い、見積などを参考に管理組合と相談し業者を選定した後、コンサルの方針に従って施工が行われます。コンサル依存型のため、コンサルの能力によって結果に差異が生じます。

いずれにしても、コンサル、業者、メーカーなどの営利一辺倒の姿勢(贈収賄など)、コンサル、業者、職人、管理組合の知識不足、人材不足などが相俟って失敗が多いのが現実です。

<責任施工方式と設計監理方式>

推奨方式…100世帯以下

協働責任施工方式(居住者+設計士+技術者+職人+他)

100世帯以下の共同住宅に最もふさわしい発注方式は協働責任施工方式です。この方式は上記の管理組合、業者、コンサルなどに偏って依存する責任施工方式や設計監理方式とは異なり、居住者、設計士、技術者、職人が一体となって施工にあたる方式です。

居住者の総意により、設計士や技術者、職人と相談しながら施工するこの方式は、居住者がいつも現場に近い場所にいることにより、設計士や技術者、職人に対して適度の緊張感を与えるとともに、居住者も現場の大まかな作業状況を掴むことにより、安心して施工を見守ることができます。

完工した後も、設計士や職人とパイプができているので、定期点検やメンテナンス、トラブルにもスムーズに対応することができます。この完工した後の作業はことのほか重要で、次回の修繕工事の時期に内容に影響を与えます。

この方式は居住者が積極参加しなければならない点で少々の負荷はかかりますが、これが最も確実で確かな施工の進め方と言えます。

<責任施工方式と設計監理方式>

建築用語解説

工事監理とは?
建築士法第2条(定義)
第6項
工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書の通りに実施されていないかを確認することをいう。
建築士法第18条(業務執行)
第4項
建築士は、工事監理を行う場合において、工事が設計図書の通りに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に注意を与え、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない

施主の意見を理解して現場に指示するのが、設計者(工事監理者)で、指示を聞いて工事に反映させるのが現場監督(施工監理者)です。

設計者は受注方式が設計施工でない限り、工事現場の人達に直接指示や工事に責任を持つ事は決してありません。工事監理者は、施工会社と対話して業務を遂行して行きます。
俗に工事監理は「さらかん」、管理は「たけかん」と呼ばれ違った業務として定義されています。

工事監督とは?
<業務>
  • 現場で具体的な指示を出し工事の進捗を管理する(工程管理)。
  • 施工図や施工計画書(工程表など)を作成する。
  • 工事の実行予算を組み、下請け会社との調整を行う。
  • 近隣トラブルの際建築主と共に対処にあたる。
  • 工事決算書を作成し会社の売り上げを計算する。
  • 工事内容の変更があった場合、設計者・工事監理者と協議し、指示に従い適切な処置を施す。

ちなみに工事監理者は、施工図の承認は業務として行う必要がありますが、施工計画書(工程表など)は検討はするものの、気がついた点があれば工事施工者に助言を与える程度で、工事監理者の承認行為とはなってはいません(業務範囲外です)。

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